サングラスをかけた僕はまるでウルトラマンのようだったに違いない。しかし、クリニックを出てからメガネをかけなくてもよくなっていた。だが、そんな感慨にふける余裕はとてもなかった。手術のドキドキがまだおさまってないのだ。
自宅に帰って、一番悩んだのが風呂に入るか入らないか、ということだった。術後1ヵ月は目に水が入らないようにと言われていた。その日、多分色々な種類の汗をかいた僕は悩んだ末、風呂に入ることにした。ただしシャワーだけだ。目薬をさす時間の間を見計らって、僕はシャワーを浴びた。目をギュッとつぶったまま。こんな時はホテルより、自宅の方が便利かもしれない。手探りでシャンプーや石鹸、バスタオルの位置を把握しているからだ。
そして目を閉じたままシャワーを終え、バスタオルで全身を拭いた後、ティッシュで目の周りのわずかな水分を拭き取った。それから目を開けた。これは一ヶ月続けた。
それからは音楽を聴きながら布団に横になっていた。目にソフトコンタクトレンズを入れたような異物感があるものの、裸眼で部屋の様子がわかった。変な気分だった。もう、15年以上、メガネをかけないと本も読めなかったのだ。感激するより先に違和感を覚えていたに違いない。
そうして寝ることにした。とても疲れていたし、一眠りして精神的に落ち着きたかった。僕はあのアイマスクをつけ、皮膚用テープでガッチリと固定した。なかなか眠れなかったが、前日の寝不足とその日の疲れのせいか、いつの間にか眠りに落ちていた。
翌日、目を開けると視界が変なのでビックリした。僕は昨日のことを思い出し、アイマスクを外した。まず、目薬をさしてから部屋の周りを見渡した。そして、外の風景を見てみた。メガネがないことに対する違和感がまだあったが、なんとなく開放感があった。
この時、なんとなく、自分は頑張ったなぁ、などと思った。そして、これからは目を大事にしようと思った。結局、喉元過ぎれば、で少し近視気味になるのだが。
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