レーザー照射が終わる直前にドクターがとどめで「完璧です!」とおっしゃって、「あ、終わったな」と思いました。眼球を固定していた装置がはずされ、角膜を元の位置に戻すと、天井付近にかかっている非常口のピクトグラムが目に入って、非常口か書かれた小さな文字と矢印マークがくっきり見えたのです。おもわず、「わぁ」と声を上げてしまいました。起き上がると、看護士さんやドクターの顔がくっきり見えました。入ったときに大きな塊としか見えていなかったレーザー機械も細部まではっきり見えます。次の患者さんがすぐに来るので、ここで感動に浸ることもできず、手術室では次のオペの準備に追われていたので、私は介添えの方に連れられて、廊下に出ました。
手術が終わると回復室に向かいます。廊下では、なにもかもが普通にみえるので介添えの方に、「見えます!はっきり見えます!」と声高らかに話しかけると「よかったですね。目を休ませるためにもゆっくりお休みくださいね」と、やさしい声でこちらを振り向かれました。それまでぼやけてよくみえなかった看護士さんの顔がくっきり見えました。こんなに若くてかわいらしい人だったこと、ピンクの介護服だと思っていたのが、実は薄い縦模様がはいっていたのがわかり、改めて視力がよくなったことに喜びを感じました。
回復室では、クラシック音楽が流れており、再び豪華な仕様のリラックスチェアに座り30分ほど、目をつぶって休みました。足元が冷えるので、ブランケットを貸していただきました。本当は、すぐに目をあけて周りをきょろきょろしたいところですが、ドクターからの指示通り目は開けず、ひたすら、「目が良くなっていますように」と祈っていました。
30分経過して、看護士さんが再び呼びにきました。回復室と同じ部屋で診察を受けるのです。目をあけて立ち上がると、「おおー。クッキリ見えているぞ!」。もう視界には白いモヤはかかっておらず、温かい日差しの入った部屋のすべてのものがはっきりと見えています。誰の助けも借りず、ドクターのいる場所まで裸眼で歩けることに感動しました。
ドクターが目を診察しながら「手術は成功していますよ」という言葉を発したときにはほっとしました。そして、眼球に異常のないことをチェックされました。
最後に看護士さんから手術後の注意事項の説明と目薬を頂きます。点眼液だけで5種類、炎症を抑える抗炎症剤、抗菌剤、角膜保護剤が2種類、痛み止めの鎮痛剤です。間違えないように説明書もはいっていました。そして、あらかじめもらった保護用メガネをかけて外に出ました。手術フロアの入り口の靴箱のところに不要になった眼鏡回収ボックスとして、透明ケースが置いてあったのですが、来るときはそれさえも見えなかったのです。改めて目がよくなったのだと実感したのです。
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